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「少女マンガ」との邂逅

 大学三年生になる春のこと。
(今はもう取り壊されている)アパートを引っ越すとき、いろいろとお世話になったお礼に、隣家のおばさんへお菓子を贈ったところ、お返しに少女マンガを頂きました……ナヌ? 予想外の出来事にお礼を述べることもできないでいたところ、おばさんは「これ、私の娘が書いたんです」と。(◎_◎;)
 佐野未央子『金曜日のお買い物』というマンガでした。佐野さんのお母さんに、私はいろいろお世話になっていたわけです(そんなことなら、もっといろいろ聞いておけばよかったと後で反省)。そんなわけで、自分の本棚には今もそのマンガが置いてあります。正直、ページを開くのにためらい=恥ずかしさがありましたが、一度開いたら最後、あっという間に読み終えてしまいました。

               ◇

 今は、羽海野チカ『ハチミツとクローバー』を読んでいます(ホームページがあります。羽海野さんのはこちら、マンガのほうはこちら。アニメ化されているようですが、仙台で視ることはできません)。
また、なんでそんな「柄にもない」ことをしているのか。あるからです、院生室に。自分のものではありませんが。ついつい何度も読み込んでしまいます(研究しろよ)。所々に描かれるコミカルなストーリーが、スパイスとなって効いてきます。そのあたりがとくに、男女関係なくウケるポイントではないでしょうか。
 私自身は「少女マンガ」事情についてはまったくもって詳しくありません。しかし少し読んだだけでも、そこには明らかに「少年マンガ」と一線を画す、独自の文化が築かれていると感じます。日常のどこにでもあるような風景を舞台として設定しながらも、現実社会の深刻な問題とか、正義-悪とかいった問題からは距離を置いたかたちで恋愛を中心とする少女たちのこころ模様が「ひらひら」(本田和子さんによるメタファー)と描かれる、その意味でのとらわれのない奔放さという印象を強く受けます(もちろん、すべてがそうというわけではないのでしょうけど)。

               ◇

 「少年」という範疇から独立した一つのジャンルとして「少女マンガ」が、海外にまで影響を与えるほどに確固たる地位を築いていることの意味をどう考えればよいのか。それは戦前、男子優先の公教育学校制度のなかで閉塞的世界に生きるしかなかった「少女」たちが、「女学生時代」という束の間の「夢の時間」の中で紡ぎ出してきた幻想=「少女文化」の名残りなのか。そんな疑問が浮かんできます。

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