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現物貸借

 誠之学友会編(寺崎昌男監修)『誠之が語る近現代教育史』誠之学友会、1988年。

 このような本がある。東京都文京区立誠之小学校の同窓会組織にあたる誠之学友会が編集したもの。1000頁を越える大著である(しかもB5判)。新書感覚で手に持って読もうものなら、指が脱臼するんじゃないかと思うぐらいズシリと来る。一公立小学校が刊行する本のなかでも、これほどの大著はみたことがない。しかもこの本、いわゆる周年行事(=記念誌)ではない。このことは「極めて異例」である。

 寺崎昌男さんをはじめとする、東京大学教育学部日本教育史研究室の当時の面々(所沢潤・鈴木そよ子・木村元の四氏)が編集・執筆に加わっているところからして、教育史研究の見地からも、この学校とその所蔵文書がいかに貴重な存在かということがわかる。最初は執筆者の誰かがこの学校の卒業生なのかと思ったが、どうやらそうではなく、純粋に研究的観点からのよう。それにしても、こんな本があるとは、つい最近まで知らなかった。

 同書の説明によれば、この誠之小学校は「明治維新以来今日まで、一度も火災の被害を受けていない。関東大震災も、第二次世界大戦の戦災も、災害を直接受けることはなかった。したがって、開校以来の教育に関する資料が多数残されている」(「刊行にあたって」より)という。校内には「誠之史料館」があるようで(同小学校のWebサイトからは確認できないが)、ぜひ行ってみたいという欲求に駆られる。

 この本、自分の所属大学の図書館にはないため「現物貸借」を依頼したが、送料が(往復で)2000円近くかかってしまった。しかも、一週間以内に返却せよというのだからキビシイ(メールで連絡を受けてからだと実質六日以内)。1000頁以上もあれば目を通すだけでも大変だ。今回は、別にもう一冊依頼していたため、結局、この労作については自分にとって重要だと思われる部分をコピーして返却する。見逃している部分があるのではないかと不安だが、もう一度借用するのも(出費的に)勇気がいる。
 お金と時間、大学図書館の「相互利用」におけるこの二つの条件が、もう少し学生にとって望ましいものになってほしいなぁ。詳しい情報のわからない(=手にとって確認できない)本を借りるのは勇気のいることだから。それとも市民図書館などを利用するほうが安かったりするのだろうか。

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コメント

俺なら、全ページ根性で複写!それにしても、大変な分量だね。分厚い本だろうから、コピーの際、破損しないように気をつけてくださいね。

投稿: すだっち | 2005/08/09 10:37

 「返却する」のは昨日までで、ほんとにあわただしくコピーしました。全ページ複写なんて、根性の問題以前にお金の問題だよ~(指導教員に頼んでも快くコピーさせてくれないし)。

投稿: タカキ | 2005/08/09 16:01

根性で接写!ってのもありだったか?デジカメで(苦笑)
どんなものなのか、興味あり。いいもの見つけましたな。
俺は休みを利用して、ある郷土史の書き物三昧。やはり書くことは脳を刺激していいですな。

投稿: すだっち | 2005/08/10 10:14

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