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「居合道」の誕生はいつ?

 「居合」「居合道」について、いくつか辞書を引いてみた。別に、これといって特別な理由があったわけではない。ただ、日曜日に昇段審査(三段を受験する)があり、そこで実技とともに学科試験が課せられていることが一つのきっかけとなっている。

「居合」については、以下の通り。

◆大槻文彦『言海』(ちくま学芸文庫、2004年。初版は1889年)
ゐ-あひ(名)[居合] 
剣術ノ一派、居ナガラ、刀ヲ抜キテ敵ト立合フ術、狭キ所ニテ、甚ダ長キ刀ヲ、抜クナド、スベテ、自在ニ刀ヲ抜キ差シスルヲ術トス、林崎重信ニ起リ、コレヲ利方トイフト云。

◆日本大辞典刊行会編『日本国語大辞典〔縮刷版〕 第一巻』(小学館、1979年)
い-あい ゐあひ【居合】〔名〕
片膝をついたまますばやく刀を抜いて敵を切るわざ。戦国時代、元亀、天正(1570~92)の頃、林崎重信が創始したものと伝える。近世には、長い刀を気合いとともに抜く術をもいうようになった。居合い抜き。居合い術。

◆新村出編『広辞苑 第五版』(岩波書店、1998年)
い-あい ヰアイ【居合】 
片膝を立てて、すばやく刀を抜き放って敵を斬り倒す技。元亀・天正の頃、林崎重信にはじまるという。居合抜イアイヌキともいい、後には大道芸化する。

◆goo辞書(三省堂提供「大辞林 第二版」より)
いあい ゐあひ 0 【居合】
武芸の一。抜刀の瞬間に相手をきる技。座った状態からの抜刀を基本とする。

 ところが、驚くことに、「居合道」という語となると、自分の確認したどの辞書にも載っていなかった。「合気道」「弓道」「剣道」「柔道」などの語は確認できるのにである。いったい、この事実をどう理解すればよいのか。居合道は、いまだ市民権を得ていない武道ということか。
 なお、明治22年に出された『言海』(日本初の国語辞書)には、「居合道」はもちろん、「合気道」「弓道」「剣道」「柔道」の語も載っていない。これは、このころにはまだ「武道」が誕生していなかったことを示す傍証といえる。「武道」という概念は、実はきわめて新しいものである(もちろん、「武道」の文字は『言海』にはない)。

 いったい、この、辞書にも載っていない「居合道」という言葉は、いつごろ、誰の手(いや口か?)によって生みだされたのか。どなたかご存知であれば、教えて頂きたい。自分でもさらに調べる予定である(ただし、余裕があれば)。なお、居合関連で載せられている語には、「居合腰」「居合師」「居合抜」といったものがあった。
 ついでに、「英辞郎on the web」(http://www.alc.co.jp/)の和英機能で「居合」を調べたら出てこず、「居合道」で調べると、[art of drawing real swords]との訳語があてられていた。

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