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輝ける「団塊」に暗澹たる「教員大量退職時代」

 「団塊の世代」がごそっと退職することで、日本の成長を支えてきた高度な技術(職人芸といえる「わざ」)の担い手が不足する――
 この、いわゆる「2007年問題」に関するマスメディアの報道を、最近よく見かける。昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」では警察と水道局にスポットを当てて、対策の現状=若手の育成の模様を放送していた。少し前、TBSの「News23」でも大手企業を対象に同様の問題について取材していたのをみた記憶がある。
 教育の世界もこの問題と無縁ではなく、さらに複雑な様相を呈している。
いくつかのWebサイトですでに指摘されているが(http://www.tokyo-np.co.jp/daizukai/666.htmlhttp://www.benesse.co.jp/s/ednews/050303.shtmlhttp://benesse.jp/blog/1/1/41.htmlなど)、それらによれば、
これから10数年間は、定年退職を迎える小中学校教員の数が急増する、「教員大量退職時代」に突入する。1970年代前半の第二次ベビーブーム世代の進入学に合わせて80年前後に大量に採用された教員がどんどん退職する一方、その第二次ベビーブーム世代の子どもたちが学齢期にさしかかるため、必要な教員の数はそれほど減らない、結果、教員不足に陥るという時代状況が到来する。
雇い主である都道府県は、教員の高齢化に伴い、給与や退職手当の増加に頭を痛めることになる(先に財政制度審議会から出された提言は、この問題状況にどう配慮しているのかは不明であるが http://www.sankei.co.jp/news/051020/sei071.htm)。
 人件費が増え、その削減が必要となる時代に教員不足になるという事態、逆にいえば、人手不足の時代に人件費を抑えなければならないという事態は、教育の質の向上にとってはきわめて危機的ではないか。さらにこの事態は、人材確保をめぐる地域間格差など、いろいろな問題を呼び起こす可能性がある。
また、いびつな年齢構成という現状は、教員の技量向上に影響を与えている可能性がある。
 「団塊の世代」を含む教員の7割(40代4割・50代3割)が「ベテラン」という状況の中で、教員は若い同僚から刺激を受ける機会が減る一方、技術も経験もあるのに同世代が多くて役職に就けないという、「意欲低下」をそそる構図が職場内に浮かび上がってくる。今後はその傾向がより促進される可能性もある。
 以上のような状況下で、教師の技量・専門職性といった問題を議論したところで、教師にとっては専門職ならぬ専門ショックであり、所詮屁みたいなものでしかないと思うのは自分だけだろうか。

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