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「学徒」たちの「戦争」

 東北大学史料館企画展~「学徒」たちの「戦争」―東北大学帝国大学の学徒出陣・学徒動員~に行く(2月24日まで開催、入場は無料)。
 戦時色が深まっていくなか、当時の「学徒」たちは、自分たちが置かれた状況をどのように受け止め、どのように生きようとしたのか、そして、60年後を生きる「学徒」たちに当時の記憶は何を語りかけてくれるのか、といった関心から耳(というよりも眼)を傾けてみたくなった。将来が見えないなかで学生たちは何を考えたか、という視点から当時を振り返るならば、若者を取り巻く今日的状況への示唆をも得られるのではないか。

 展示では、
1938年以降の夏期休暇等における「勤労奉仕」に関する史料・写真に始まり、
「学徒出陣」・「学徒勤労動員」に関する学内の動きを伝える史料を、敗戦まもなくのころまで辿ることができる。
学生たちの心境を綴った手記、〈学徒勤労と大学教育〉をめぐる大学教員の所感(「勤労動員と大学教育の両立に関する教員の意見書」、1944年8月)などは、興味深かった。
手記の中には、自身の教養に寄与するはずの文学や芸術の時局的な偏向を批判するものもあった。
「大学教員」の意見からは、学問の頽廃を何とか防ぎたいという想いを読みとることができる(とりわけ法文学部の教員にそれをみた)。
学問あるいは教養の収得に専念できない状況の悪化を嘆きつつ、私情をおさえ、状況を何とか肯定的に捉えようとする努力の痕には、痛々しさを感じた。

〈リンク〉
・東北大学史料館
[http://www.archives.tohoku.ac.jp]]
・東北大学関係写真データベース
[http://www2.library.tohoku.ac.jp/tua-photo/]

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