« 合同稽古会―2006・春― | トップページ | 「あの歴史的感動」の記憶 »

植民地支配と男性性

 COEの学内研究会に参加する。
 Hさんの発表がとても興味深かった。I田先生とは日頃どのような親子の会話を交わしているのか、という興味をもってしまう。
 Hさんの発表は、植民地支配とジェンダーの関係について考えさせられる内容であった(当然ながら、以下の文章は私の発表に対する個人的見解をまとめたもので、内容を忠実に反映しているわけではありません)。
カリブ海域社会(フランス語圏旧植民地)を対象として、文学作品上にあらわれたジェンダーについて具体的に示すともに、当該地域における男女の社会的格差=ジェンダーのありようと再生産の構図について論じられた。
 とりわけ興味深かったのは、植民地支配、とくに奴隷制を通してカリブ男性の男性性が抑圧(「去勢」「非人間化」。単純な肉体労働にその役割が焦点化されたという意味では男性性の「局限化」ともいえるのではないか?)される一方、女性の家族における中心的役割が強調される(白人植民者のような父権的家族が存在できなかった)ことで、女性優位のジェンダー秩序が形成されたという指摘であった。つまり、ここでは女性よりも、男性のジェンダー・アイデンティティをめぐる苦悩が問題となっており、日本などとは状況が逆になっていると考えられる。このような「弱い」男性の側から「ジェンダー格差」の問題を論じた事例について話を伺うのは、今回がはじめてであった。それだけに興味深かった。このようなHさんの(I田先生を親に持つ)ご家族内の力関係(=ジェンダー格差)はどうなのだろう。

|

« 合同稽古会―2006・春― | トップページ | 「あの歴史的感動」の記憶 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/69457/9119926

この記事へのトラックバック一覧です: 植民地支配と男性性:

« 合同稽古会―2006・春― | トップページ | 「あの歴史的感動」の記憶 »