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「あの歴史的感動」の記憶

 王JAPANのWBC優勝で、巷は湧いている。準決勝進出が絶望的だった状況から奇跡的な優勝へという展開は、あまりにドラマティックであり、そのようなドラマの舞台を与えられたことは、日本代表にとってとてつもない幸運であったにちがいない(逆にいえば、韓国代表にとっては非常に不運だった。一度深い苦しみを味わいながら、もう一度選手たちが団結して立ち上がる機会を得たチームと、安定的な強さで勝ち続けてきたチーム、どちらのチームの勝利が感動的かと問われれば、多くの人が前者と答えるだろう。そして、結果的に、そのドラマの舞台を得た日本代表のほうに風が吹いた)。
 プロの選手たちが高校球児のように闘志むき出しで懸命にプレーしているのを観て、さすがにこちらも熱くなった。

  そして、もう一つ、王JAPANが優勝を決めた同じ日の深夜、カーリング-チーム青森-を取り上げたTV番組、TBS「バース・デイ」にも熱くなった。
 番組では、カーリングの基本的なルールを紹介しながら、とくに「スウィーピング」(ブラシで氷面をこする、あの象徴的な動作)の重要性に力点を置いた説明がなされており、その点が勉強になった。日本カーリング史に残る一戦という、トリノ五輪での日本-スウェーデン戦(わずか50cmほどの相手ストーンの隙間を、直径約30cmのストーンを通すラスト・ショットで、日本に勝利したスウェーデンの作戦)を取り上げながら、スウィーピングがショットの正確性を確保する上でいかに重要かということを説明していた。スウィーパーは、ホッグ・ラインから反対側のティー・ラインまでストーンがどのくらいの秒数で到達するかを正確に認識しているという点には驚いた。
 「あれはスポーツじゃない」「笑えるマイナースポーツ」などと中傷されたこともあったというカーリング。女子日本代表=チーム青森は、それまでのカーリングを見る周囲の眼を一変させた。その果たした功績は計り知れない。同番組では、チーム青森結成以前であろうか、ローカル番組でのインタビューに答えたり、初心者にカーリングを指導する小野寺・林両氏の姿も映っていた(そんな両氏は休養に入るという。少し残念)。

 一度深い苦しみを味わいながら、なおそこから立ち上がることで得られた輝き。
王JAPANとチーム青森に関する報道に接していると、どうもそんなドラマ性を感じてしまう。これも時代性ゆえだろうか。そういえば、近く仙台で凱旋パレードを行う荒川選手の金メダルもまたそんなドラマティックな文脈で語られていることに気づく。

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