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個人情報「過保護」

 少し前の毎日新聞に「隠される 情報デモクラシー'06春 3」(2006年4月1日)と題する記事が載っていた。個人情報保護法施行後(2005年4月施行)の学校現場における反響について書かれた、興味深い内容である。
 それはまさに「法律の一人歩き」と「学校現場に広がる過剰反応」と呼べるものであった。具体的には、
「うちの子がしかられているのを、他のクラスの子まで聞いていたんですよ。個人情報保護法上、問題があるんじゃないですか」などといった保護者の反応、
インターネット上に掲載される遠足やボランティア活動などの学校行事の写真に、ぼかしをかけるといった現場の対応、
卒業アルバムにすら保護者の同意を得なければならない現状……
などである。正直この法律の矛先は企業に向けられたものと思っていただけに、学校現場が翻弄しているしている現状は見当がつかなかった。
 個人情報保護法が「他人のことなど知るか」という風潮を正当化しているという、現場教員からの指摘には、考えさせられるものがある。

    *  *  *

 同法の影響は大学院での自分の所属講座にも現れている。
 今年の部屋会議で、院生名簿を作らないという部屋長からの連絡があった。今後は部屋長が各院生の個人情報(住所、電話番号、メールアドレスなど)を一括管理し、各院生は用のある時に部屋長にその旨を伝え、情報を聞き出すというかたちになった。
 おかげで自分は、まだ新入生のことをほとんど知らない。もちろん、部屋会議や歓迎会の場でお互いを紹介する機会はあったが、せいぜい覚えられたのは顔と苗字ぐらいである。下の名前はほとんど把握していないし、どういう字を書くのかも知らない(これから新入生とコミュニケーションをとれば済むのかも知れないが、自分は記憶力に自信がないし、忘れっぽい)。自分などはまだいいほうで、新入生(とりわけ外から来た社会人院生など)の側からすると、在学生の顔と氏名をきちんと覚えられるだろうか。身近な人の名前を知るのすら余計な苦労を伴う現状に、個人情報「過保護」の感は否めない。

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