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道徳教科、効果は疑問

 教育再生会議が、今度は道徳の教科化を提言するという。「教育再生」とは昔の教育(修身科)を再生することなのか。道徳教科という発想の古さに驚く。それなら委員の方々にはぜひ、戦前の修身科が「効果がない」と批判され続けた歴史も念頭において頂きたい。
 修身教育改善を内容とする「徳育重視」は、「知育偏重」という問題意識と結びつき、教育勅語発布後も繰り返し政策課題となり「続けた」。そのことが何より、道徳教育で問題を解決しようとする困難を物語っている。森文政期における修身科試験の廃止をめぐる論争や、文部官僚として活躍した澤柳政太郎の低学年修身科廃止論をはじめ、修身科の無力を訴える声が学校現場や教育雑誌等で相次いで出された。
 そもそも教科として教科書を使って教える「道徳」は、徳そのものの教育ではなく、徳(徳目や倫理・思想)について文字で表された知識を教える結果になりやすく、授業が道徳的と評価される社会的行為に直接つながるとは限らない。それに評価が加われば、かえって建前と本音を使い分ける偽善的態度を子供たちに促す結果になりはしないだろうか。
 教科化されても効果が出ないことを問いつめられ、学校・教師は一層苦しむだろう。子供たちに至っては、学力だけでなく、心の面でも競争を強いられる。その息苦しさは、やがていじめや暴力として問題化していくのではないか。

※朝日新聞「声」欄(4月4日朝刊)もお読み下さい。

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以下の文章は、タカキくんのブログにコメントしようとしたものです。なぜか投稿できな [続きを読む]

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