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事務次官特別講演

 土曜日は、文部科学事務次官の特別講演会に出席してきた。現事務次官の銭谷さんは大学(学部)のOBであり、また講座の先輩である。これまでも、数回講演などで仙台にお招きしておりお目にかかったことがある。が、今回はまさに事務次官としての凱旋講演といったところ。学部としてもぜひとも事務次官のうちに招聘せねば、といったところだろう。とはいえ、今回はホテルのレストラン(?)を会場とした内輪向けの、小さな講演会だった(会場の確保が困難だったらしいから、もともと小規模に設定され、大きな宣伝も行わなかった)。
 藤井前仙台市長(こちらも大学[院]OB)のこぼれ話も飛び出しつつ(銭谷さんは藤井さんの「調査・統計論」受講学生の一人で、評点はAだったとか)、「グローバル化時代の日本の教育の課題と展望」について、一時間ほどお話をいただいた。

 箇条書きになるが、その内容を自分なりに整理すると、以下の通り(内容を正確に反映しているわけではありません)、

(1)教育行政は、国際機関の動向を無視できない 
①国連(ユネスコ)
世界初の民間ユネスコ協会が仙台の発祥であること(仙台から世界へ)
・日本の世界遺産条約への対応の遅れは、その登録件数の少なさに表れている(登録件数はヨーロッパが圧倒的)。
ESD(Education for Sustainable Development)
 「持続可能な開発のための教育」という動向
②OECD
・日本のPISA(2003)ショック
 とはいえ、G8の中ではカナダに次いで2番目に高い
☆調査をしてわかったこと
・下支えがなくなっている。
 成績を段階別に分けると、上位層の厚さは変わっていない
 =下層が増えている
・学年があがるにつれて勉強しなくなる。
 意欲の低下、ビジョンがもてないでいる
 高校と小・中とのギャップ―学習の継続性の問題
・PISAは「どれだけ学んだか」を問うテストではない
 TIMSSではまだ上位にいる
 知識の「活用・応用」をどう教えるのか
ユニセフの調査
 自己肯定性が低い日本の子ども(15歳)
 「自分は孤独だ」と感じている子どもの割合-日本はズバ抜けて高い(29.8%)
 平均は7.4%
◎OECDの教育統計―各国に影響を与えている
・PISAによって各国とも学力への関心が高まっている
☆フィンランド:教師は尊敬されている、読書に力を入れている、少人数教育、学校の自主性尊重
☆ドイツ:日本以上のPISAショック(2000)
・給食なし→給食ありの全日制へ移行(これまでは午後1,2時で下校時間だった)
 さらに朝食を提供する学校まで

(2)日本の教育の課題
①全国学力・学習状況調査
*結果からわかったこと 
 過去問との比較―学力は低下していない
 住んでいる場所で学力に差はない(沖縄がやや低い)
 都道府県(教員採用、免許公布区分)でも差はない
 学校間格差も外国ほどではない
 問題Bについて、無答が多い
・競争にしない工夫の必要
 秋田県の教育長は順位が低いだろうと予想して、言い訳を考えていたとか
②少子高齢化がすすむ国、日本
・OECD加盟国中で最もすすんでいる。
 0~14歳:14%, 65歳以上:21%
次官の出身地、秋田県はもっとも高齢化がすすむ
・日本の世帯の半分は夫婦のみか、一人暮らし
 核家族は三割
③低い教育投資
・日本の教育投資は低い、その中でよくがんばってきたというのが実態
 初等、中等教育は国際平均より若干低い…
 高等、幼児教育はひじょうに低い(幼児教育無償化の検討)
④日本の高等教育
・ここ10年間で大学は150増え、短大は150以上減った。
・日本の大学進学率は、国際的には高くない。
・追い上げられる日本
 高等教育政策にその差が表れている
・「学士力」強化
 大学で何を学んだかが問われる時代
⑤その他
・教育基本法改正
→学校教育法改正、小・中一本化
→指導要領改訂、平成21年度から実施
・職業との接続
・教員定数の改善
・地域の働きかけ-学校支援地域本部
・教員給与―超過勤務の実態の問題
……

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