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上海から先生がやってきた

■NHKスペシャル「激流中国・上海から先生がやってきた~貧困の村で~」(2008/3/2)
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080302.html

経済成長のかげで、およそ6000万人の貧困人口を抱える中国農村部。貧しさの原因とは何なのか。彼らを救う手だてはあるのか。貧困地区を助けようと都会からやってきた若者たちの苦闘と農村の現実を半年間にわたって取材した。

これまでに10万人が参加したという都会の若者が貧困を助ける支援プロジェクト。今年、黄土高原の最貧困地域、寧夏回族自治区西吉県に13人の若者が派遣された。メンバーの一人、上海の名門、復旦大学に通う梁佩思(りょうはいし)さん(22)は、外資系企業からの就職の誘いを断り、貧しい農村の高校で一年間のボランティア教師となることを決意した。

しかし、苦労知らずの都会暮らしの梁さんを、想像を絶する日々が待ち受けていた。零下15度に冷え込む厳しい自然。具のない饅頭だけが、毎朝毎晩続く食事。あたりには故郷を捨てて移住した農家の跡が点在していた。
それでも子どもたちは、貧しさから抜け出すために、一心不乱に進学を目指す。梁さんは、生徒たちの家に通い、親身になって相談に乗り始めた。しかし、親の病気を治すにも借金が必要で、返済のために子どもは進学の道を断たれる悪循環。非情な経済の論理が急速に農村を蝕んでいる実態に、途方に暮れるばかりだった。 

若者たちの悪戦苦闘を通して、貧困の現実と彼女たちの心の葛藤を大自然をバックに描き出していく。

 中国版・大石先生(『二十四の瞳』)とでもいうべきか。あるいは中国版・北方教師、『山びこ学校』か。過去の日本が抱えたであろう問題=都市と農村との格差と同じようなイメージをもたざるを得なかった。農村若者の出稼ぎは、日本における高度成長期の集団就職を思わせる。大きな違いはおそらく、「都会の若者が貧困を助ける支援プロジェクト」が国家的規模で大々的に展開されていること、にもかかわらず、格差解消という問題は若者の「大学への進学」という個人的課題の枠組みで受け止められていることだろう。少なくとも、番組の構成からはそのような問題の構図として受け取れた。

 大学出の若い「令嬢」教師が、貧困からの脱却という切実な農村の課題を、都市への進学と強く結びつけて必死で教育を行っている。
そんな印象を強くもった。もちろん、この競争意識を煽るやり方はどこかで行き詰まる。個々の家族に大きな負担をもたらす。農村の空洞化が深刻化する。そもそも「選抜」という仕方で貧困にあえぐ生徒すべてが救済されるわけではない。にもかかわらず、農村家族はそこにしか活路を見出せないでいる。中国の教育もまた隘路に入り込んでいるようにみえてきた。

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