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すでに指摘されていたことではあるけれど…

 日本教育史に関わる地方の学事関連文書の散逸、廃棄もすでに懸念されているところではあった。
 こうした記事を読むと、改めて残念である。

◇「公文書散逸の危機 平成の大合併後、旧庁舎などに置き去り」@河北新報・東北のニュース、2009年9月10日。
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/09/20090910t71005.htm
 
 平成の大合併後、旧町村が保存してきた公文書が廃棄や散逸の危機にさらされている。昭和以前の歴史的・文化的な価値の高い資料も多いが、出先機関の総合支所となった旧庁舎に置き去りにされたままのケースも目に付く。全国では大量廃棄の事例が報告され、東北の自治体でも庁舎建て替えの際に邪魔にされたり、組織改正や異動で旧町の実態を知る職員が少なくなったりすることが懸念される。専門家は「早く精査して保存すべきだ」と訴えている。(編集委員・大和田雅人)
 大崎市は3日、総合支所職員を対象にした文書保存説明会を開いた。市政情報課の担当者が大まかな整理の仕方と目録の作り方を指導した。
 合併から約4年。文書は旧古川市を含む七つの庁舎にばらばらに保管され、「手付かずの状態で何があるのかも分からない」(同課)という。
 限られた人員の中、取りあえず廃棄は避けようというのが説明会の狙い。総務省が3年前、歴史的文書の保存を求める通知を出したことも背景にある。登米市は各支所から閉校した小学校の校舎に運び込むなど、緊急避難的な措置を取った。
 問題は膨大な資料群の選別だ。公文書の分類法は二つあり、起案の段階で永年、30年、10年、5年、3年、1年と保存期間が決められた文書は、年限が過ぎたら事務的に処分される。その中でも歴史的、文化的価値がある場合は保存に努めると規定されている。
 歴史資料は議会議事録、市街地図などが考えられるが、はっきりとした定義はない。栗原市総務課は「基準をどう明確にするかが課題」と悩む。
 秋田県公文書館は3年をかけて、県内の旧69市町村すべての保管状況を調査した。担当者は「明治以降の議事録を見事に残している市があれば、そうでない自治体もあった。選別の判断も人それぞれ」と明かす。
 選別は建設部局、教育委員会など縦割りで行われる。「職員には歴史的観点を意識するよう指導しているが、判断に迷うだろう」(大崎市)というのが実情だ。
 仙台市には苦い記憶がある。昭和の合併で消滅した生出村(1956年編入)、七郷村、高砂村(41年編入)などの公文書が合併後にほとんど廃棄されていた。
 仙台市博物館は編さん中の「仙台市史」の特別編で旧村特集を発刊する予定だが、資料不足で難航している。鵜飼幸子編さん室長は「街の移り変わりや住民活動など地域の歴史が詰まっていたはず。平成の合併では同じ轍(てつ)を踏まないでほしい」と話している。

◎保全のポイントは?/精通した職員配置必要/平川新東北大教授に聞く

 古い公文書の保存に当たって何がポイントになるのか。旧家の古文書保全などに取り組んでいる平川新東北大東北アジア研究センター教授(日本近世史)に聞いた。
 貴重な史料は文化財に指定されれば残るが、現実には未指定の公文書などに貴重なものが圧倒的に多い。行政はこれから、永年保存や10年保存など規定に従って機械的に選別するだろう。歴史的文書があった時、専門家でさえ迷う判断を一般職員ができるだろうか。
 公文書には政治の意思決定、民衆のかかわり方など後世に研究価値の高い記録が多く、捨てられたら手掛かりが失われる。小さな自治体が研究者を雇ったり、公文書館を建てたりするのは無理があり、せめて文化財などに詳しい職員を文書担当にして長く配置することが望ましい。史料は百年後、千年後に評価されるという観点が必要だ。

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