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学生に発破を

 みなさんご承知のとおり、本学の教員採用率はきわめて厳しいです。大学ガイドブックの採用率データをみると、いかにも高いように書いてありますが、外向けにデータの粉飾などいくらでもできます。例えば、「あのデータは申告者・進路決定者のデータをもとに作ったものであり、全学生のデータではありません」といった感じです。現実は惨憺たるものです。つい先日も、私が担当するクラスの一年生が、さっそく現実を目の当たりにして相談に来ました。一年生のうちからすでに危機感を持っているという嗅覚はさすがです。この学生は将来伸びると思います。
 
  教員採用率ばかりではありません。就職率もきわめて厳しいものがあります。今年4月1日時点で、全国の大学生の就職内定率は91.8%でした(5月21日付各社新聞など)。「比較できる1997年以降で過去2番目に低かった」とのことです。本学についていえば、この数値よりは高くなります。内定率は高いということです。しかし、おかしいと思いませんか? 数字が高すぎないかと。先輩方からそんな景気のいい話を聞きますか? 
 実は、この数字は、就職を希望していた学生の内定率を指しています。全卒業予定者の内定率ではありません。当然ながら、どの大学でも進学や就職以外の道を選ぶ学生がでてきます。本学の現状でいえば、毎年かなりの留年者や未就職のまま卒業したりする者がでてきます。就職希望をすら申告できない者たちです。
  それら、進路未決定者(留年者等)を含めて、全学生を対象とした“就職率”を出してみたら、本学はどれくらいになると思いますか? 皆さんは、もう少し危機感をもったほうがいい。実際のデータをみた私がいうのだから間違いありません。なお、具体的な数値を私は知っていますが、本学のすべての教員がそれを知っているわけではないということも付け加えておきます。
 
  教員採用者を比率(採用希望者中の合格者の割合)ではなく実際の数でみると、さらに厳しいものがあります。本学から高校教員に採用された者はここ何年もいません。中学教員の合格者数も、片手の指で数えて、余りが来るほど悲惨な現状です。
  小学校教員はそれに比較すれば健闘しているといえますが、それも正規採用ではなく、臨採などの期限付採用者がかなりの割合を占めています。
 中高教員合格者が出てこないのは、入学段階ですでにあまりにも大きな学力差が出来てしまっていることに大きな理由があります。
一流大学の大学院卒と戦わなければならないのが現状です。そのような相手との競争では、一次(筆記)試験段階で簡単にはねられてしまいます。
 また、私は、「内容なくして方法なし」とシラバスに書きました。知識・情報(内容)をもっていれば、いくらでもそれらを加工して教材化し生徒にわかりやすく教えること(方法)ができますが、知識・情報がなければ、うすっぺらい上辺だけのパフォーマンスしか出てきません。だから、二次試験でも本学学生は太刀打ちできないということになります。
  本当に中・高の教員になりたいのなら、「4年で死ぬ“くらい”の覚悟」では足りません。「4年で死ぬ」覚悟でなければ、合格には至りません。
 
 なら「せめて免許だけでも」というふうに次に考えるでしょうが、それも難しい現状です。皆さんは教職志望ということで、卒業単位にもならないこの授業を受けているわけですが、しかしどれだけすぐそこにある将来の展望を見据えていますか? 皆さんは、入学段階で教職課程履修申請を書くことになっていますが、4年次の教育実習までにじつは200人近くの学生が脱落していきます。大学での成績も教育実習の履修要件になりましたので、今後この脱落傾向は拡大していくはずです。皆さんへの締め付けは厳しいものになっています。でないと、現場に迷惑をかけるだけだからです。実習3日目に無断欠勤になって、現場に大いに迷惑をかけたという先例が昨年度はありました。その他、教育実習をめぐって学生が起こした問題については、枚挙に遑がありません。尻ぬぐいをさせられる教員の危機感は相当なものなのです。それに対して、皆さんの危機感はどうか?

 某RPGドラゴンク○スト風に言わせれば、私の目に、皆さんの現状は次のように映っています。
 つまり、“何ら武器もそろえず、街の人から情報を聞き出すこともなく、パーティを組むことすらない無防備な状態で城外へ出て行こうとする”、そんな光景にみえるわけです。そのような主人公の末路がどのようなものであるかは、簡単に予想できるでしょう。スライムにすらヤラレますよ。皆さんは、スライム以下なのですか?
 
  これ以上、私からとやかく言うことはやめますが、とにかく少しでも自身のレベルやHP(ヒットポイント)を上げるべく勉強して武装を強固にするよう、日々精進してください。
 
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てなことを言ったら、学生はどのように受け止めるだろうか(ちなみに、3年生対象の教科指導法を想定)。

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