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映画「気違い部落」をみる

 八王子の自治体史の編さん事業に関わっている関係で、きだみのる(*)原作の映画「気違い部落」(1957年、松竹大船、菊島隆三脚本、渋谷実監督作品、昭和32年芸術祭参加作品、八王子市中央図書館所蔵)の特別上映会に参加、映画を視聴することができた。

 こういう機会がなければ、二度とみることはないであろう代物である。何しろ、「気違い」に「部落」という放送禁止用語の二重奏であるから、今のメディアではとうてい放送できない。
 だが、きだみのるの問題提起は、きわめて普遍的なものといえる。むしろ、「気違い部落」という概念は、現在も一定の有効性をもっているといってもよい(というのは、言い過ぎですか?)。    

 主演の伊藤雄之助をはじめ、俳優たちの演技には圧倒される。あのスクリーンからにじみ出るアクの強い個性を前にしたら、イマドキの若手俳優の演技など簡単に吹き飛んでしまう(そして、森繁久彌が若い。また、怪獣映画などの東宝特撮ファンからすると、ヒロイン・水野久美のデビュー作ということで、本作をみたことによる感慨は一入らしい。)。

 近代化がどんどん進んでいく一方、「村八分」などの長年その土地を支配している土着のしきたりはそう簡単には消えない。

 そして、それは都心部から遠く離れた、辺境の「気違い部落」に限定されたものなのだろうか。

 この映画が、最後に視聴者に投げかけるメッセージは、じつにストレートである。


(*)ファーブル昆虫記の訳者でも知られるきだみのるは、戦時期の疎開を期に、八王子の恩方村で暮らしはじめる。毎日出版文化賞を受賞した『気違い部落周遊紀行』は、ここでの暮らしを基盤として生み出された。なお、映画のほうは、川口地区(旧川口村)がロケ地として使われているようす。劇中に登場するヒロインのモデルとなった女性は(作中では亡くなるが)、今もご顕在である。  

※同映画の詳細は、以下を参照されたい。 http://www.ne.jp/asahi/gensou/kan/eigahyou52/kichigaiburaku.html

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